よくある病気についてご紹介します。

膿皮症

イヌによく見られる細菌性の皮膚炎です。主に皮膚の常在菌であるブドウ球菌が感染することで起きます。アトピー性皮膚炎に併発していることも多いです。通常は抗生剤の内服や薬用シャンプーによる治療で治ります。

外耳炎

耳道で細菌や酵母菌が繁殖して起きます。炎症が強くなれば、痒みで頭を振ったり、耳を痛がったりします。シーズーやレトリバーにコッカー・スパニエルに多い病気です。慢性化すると、耳道が肥厚して閉塞したり、耐性菌が発生して難治性になることがあります。


膀胱結石、尿道結石

結石ができやすい体質であったり、細菌性膀胱炎に併発して起きることが多いです。血尿や頻尿が見られますが、尿道結石になると排尿できなくなり、急性腎不全に陥るため、危険な状態になります。手術が必要になるケースもありますので、注意が必要です。結石用の食餌療法をすることで予防できます。

腎不全

加齢とともに、腎臓の機能が落ちていきますが、腎臓の機能の70%以上の機能がなくなると、異常な症状が見られるようになり、腎不全と呼ばれます。初期は多飲多尿の症状ですが、進行すると、食欲不振、嘔吐、やせてくるなどの症状が出てきます。早期に発見し、食餌を腎不全用に変えることが重要です。ほとんどの猫が高齢になると腎不全になりますので、定期的な健康診断をお奨めします。


椎間板ヘルニア

椎間板が変性し脊柱管に突出して脊髄を圧迫することで、後肢の麻痺などの神経症状を引き起こします。ダックスフンド、ペキニーズ、ビーグルなどでは、若齢期から発症することがあります。発症後、出来るだけ早期に手術で突出した椎間板物質を除去することで回復させることができます。

骨折

ポメラニアン、トイプードルなどトイ犬種の前腕骨折と猫の交通事故による骨折が非常に多いです。当院ではピンニング固定、プレート固定、創外固定、インターロッキングネイルなど、骨折の状態に合わせて最適な手術法を選択しております。整形外科の紹介症例が多いので、治療のツールはもちろんのこと、獣医師の知識、技術も期待に応えられるものであるために努力を続けております。


膝蓋骨脱臼

膝蓋骨(膝のお皿)が脱臼する病気です。内側に外れることが多く、小型犬(ポメラニアン、チワワ、トイ・プードル)では先天的に外れやすい形態で生まれてくる動物がいます。無症状の場合から後肢の変形を起こして、歩行困難になる場合まであります。早期に手術することで矯正することができます。

緑内障

眼のなかの眼房水の流れの異常により眼圧が高くなり、網膜が障害されて失明にいたる病気です。シーズー、アメリカン・コッカー、柴犬に多く発生します。緑内障になると、眼が充血したり、痛みのため眼をショボショボさせたり、元気がなくなります。高い眼圧になると、急性に失明してしまうので、早めに治療することが大事です。早期であれば、点眼薬での治療が可能です。慢性化し失明した場合、痛みを取り除くためにシリコンインプラントを眼球内に挿入する手術を行っております。


子宮蓄膿症

高齢の動物に多く、子宮内に細菌感染することで子宮に膿汁が貯留する病気です。多飲多尿、食欲不振、貧血、陰部からの排膿などの症状があります。治療が遅れると、多臓器不全となることがあります。避妊することで防げる病気の一つです。

歯周病

歯の表面に付着している歯石や歯垢で細菌が増殖して、歯肉炎を起こし、歯根への感染を起こして、歯がぐらついたり、膿が出たりします。歯周病の動物では細菌の出す毒素が血中に入り、内臓機能へ悪影響を及ぼす可能性もあります。日頃のデンタルケアや定期的なスケーリングで予防しましょう。


僧帽弁閉鎖不全

心臓の僧帽弁が変性して起きる病気です。マルチーズ、シーズー、ポメラニアン、キャバリアなどの小型犬で中高齢より多く見られます。初期は聴診で心雑音が聴取されるのみですが、進行とともに、咳、運動不耐、呼吸困難、失神などの症状が見られるようになります。食事療法(低ナトリウム食)、薬物療法で管理していきます。

肥満

肥満は多くの病気の原因となります。糖尿病、心不全、気管虚脱、変形性関節症、椎間板ヘルニア、皮膚病などのリスクが高くなります。動物は自分で食べる量をコントロールすることができません。飼い主様が食餌管理=健康管理と思って肥満にならないように取り組んでいただきたいと思います。


ウサギの毛球症

ウサギが飲み込んだ被毛が毛玉になり閉塞を起こし、胃から腸へ通過障害を起こす病気です。ウサギは嘔吐ができないため重症化しやすく食欲不振となり、治療が遅れれば死にいたることもあります。乾草をたべていないウサギに発生が多く、臼歯の不正咬合など歯科疾患に併発することも多いです。内科治療に反応しない場合は外科手術で毛球を除去する必要があります。

胆嚢粘液嚢腫

胆嚢内に粘性の高いゼリー状の塊ができて、胆嚢炎、胆管閉塞などを起こす病気です。症状は食欲不振、嘔吐、腹痛、黄疸などで超音波検査で診断されます。重度の胆嚢粘液嚢腫では胆嚢破裂や胆管閉塞から危険な状態になりやすいため、胆嚢切除手術が必要となることがあります。


甲状腺機能亢進症

高齢の猫に多いホルモン疾患です。甲状腺が腫瘍化することで、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり様々な症状を起こします。ごはんを食べていて元気にもかかわらず、どんどん痩せていくことが多いです。心筋症といった心臓疾患を起こしたり、血液検査ではALT、ALKPの上昇することが多いです。年齢からくる体重減少や心臓病、肝炎と診断されがちなため、高齢の猫では甲状腺ホルモンの測定をおすすめします。腫瘍化した甲状腺の切除手術やホルモン分泌を抑える内服薬で治療することができます。

仙腸関節離開・骨盤骨折

猫が交通事故に遭うと、骨盤骨折を起こしたり、脊椎と骨盤の接続部である仙腸関節が外れてしまうことがあります。骨盤の変形は歩行に支障をきたすだけでなく、便秘などの排便障害といった合併症を残すことになります。整形外科手術で正常に近い形に整復することが大事です。