
「うさぎがギリギリと歯ぎしりをしているけれど大丈夫?」
「怒っているのかな?それともどこか痛いの?」
「病院に連れて行くべきか迷っている」
このような不安を感じて検索された飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
うさぎはとても我慢強い動物です。
体調が悪くても、はっきりとした症状を出さないことが少なくありません。
そのため、歯ぎしりのような「ささいな変化」は、体からの大切なサインである可能性があります。
うさぎはリラックスしているときに小さくカチカチと歯を鳴らすこともあります。
しかし、強くギリギリと音を立てている場合は、痛みや不快感が隠れていることも。
今回は、うさぎの歯ぎしりの原因と受診の目安について、飼い主様にわかりやすくお伝えします。
ぜひ最後までお読みいただき、うさぎの小さな変化を見逃さないための参考になさってください。
強い歯ぎしりは痛みのサイン
うさぎが大きな音で歯ぎしりをしている場合、体のどこかに痛みがある可能性があります。
とくに次のような様子が同時にみられる場合は注意が必要です。
- じっと丸くうずくまっている
- 動きが少ない
- 食欲が落ちている
- うんちが小さい、数が減っている
- お腹を触ると嫌がる
「なんとなくいつもと違う」という違和感も、とても大切な観察ポイントです。
うさぎは痛みを隠すため、明らかな異常が出るころには病状が進行していることもあります。
歯ぎしりが強くなっていると感じたら、食事量や排便の様子もあわせて確認してみてください。

うさぎの歯ぎしりで考えられる主な原因
うさぎの歯ぎしりの背景には、さまざまな病気が隠れている可能性があります。
消化器うっ滞
歯ぎしりの原因でもっとも多いものが、消化器うっ滞です。
消化器うっ滞では胃腸の動きが低下し、ガスがたまることでお腹に強い不快感や痛みが生じます。
この痛みによってうさぎが歯ぎしりを起こすようになるということです。
- 食欲低下
- 小さなうんち
- お腹の張り
これらの症状がみられる場合は、早急な対応が必要です。
うさぎの消化器トラブルは進行が早く、数時間で状態が悪化することもあります。
「少し食べているから大丈夫」と思って様子を見ているうちに悪化してしまうケースもあるため、慎重な判断が大切ですね。
不正咬合
うさぎの歯は人間と違って一生伸び続けるという特徴があります。
本来は、牧草をしっかり噛むことで自然にすり減り、ちょうどよい長さが保たれているのです。
しかし、さまざまな原因により歯がうまくすり減らずに伸びすぎてしまうことがあります。
これによりかみ合わせが悪くなるのが不正咬合という病態です。
うさぎの歯が伸びすぎると、口の中の粘膜や舌に傷ができ、強い痛みが生じます。
- 牧草を食べなくなる
- ペレットだけ選んで食べる
- よだれが増える
このような変化があれば、歯のトラブルが歯ぎしりに関係しているかもしれません。
不正咬合は放置すると悪化し、食欲不振や消化器トラブルにつながることもあります。
子宮疾患や泌尿器疾患
うさぎのお腹の奥にある臓器の病気も、歯ぎしりの原因になることがあります。
メスのうさぎでは子宮の病気が比較的多くみられるものです。
子宮腫瘍や子宮内の炎症は、初期には目立った症状が出にくいこともありますが、痛みや違和感が生じていることがあります。
また、膀胱結石や尿路の炎症などの泌尿器疾患でも、排尿時に強い痛みが出ることがあります。
うさぎはその痛みを声で訴えることができないため、歯ぎしりという形で表れるということですね。
- 血尿
- 排尿時の違和感
- トイレに頻繁に座る
このような様子がある場合は、泌尿器や子宮の病気が隠れている可能性があります。
どのタイミングで受診すべき?
歯ぎしりに加えて次の症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
- 半日以上食べない
- うんちがほとんど出ていない
- ぐったりしている
- 横になったまま動かない
うさぎは体調が急変しやすい動物です。
「明日まで様子を見よう」という判断が難しい場合もあります。
受診を迷われたときは、「まだ大丈夫かどうか」を悩むよりも、「念のため相談する」という選択をなさってください。
その早めの行動が、うさぎの命を守ることにつながることがあります。

まとめ
うさぎの歯ぎしりは、単なる癖ではなく、体の不調や痛みを知らせる重要なサインであることがあります。
とくに強い音を立てている場合は、消化器トラブルや歯の異常、子宮や泌尿器の病気などが隠れている可能性があります。
歯ぎしりに気づいたら、食欲やうんちの状態、元気の様子をあわせて観察してみましょう。
少しでも異変を感じたら、動物病院への受診をおすすめします。
当院では、うさぎをはじめとするエキゾチックアニマルの診療にも力を入れています。
歯ぎしりが気になるときや、「受診するべきか迷っている」という段階でも受診いただいて構いません。
飼い主様の不安に寄り添いながら、丁寧に診察いたします。
小さな音の変化に気づいたら早めにご相談いただくことが、愛うさぎを守る第一歩です。
山形県米沢市の動物病院
てらやま動物病院
