「朝起きたらうさぎの首が傾いていた」
「うさぎが真っ直ぐ歩けなくなった」
「うさぎの目が急に白くなった」
上記のような症状を引き起こす代表的なうさぎの病気として、うさぎのエンセファリトゾーン症があります。
うさぎの飼い主様であれば一度は聞いたことがある病気かもしれません。
うさぎのエンセファリトゾーン症は日々の生活の質を大きく落としてしまう厄介な病気です。
この記事ではうさぎのエンセファリトゾーン症について症状や原因などを詳しく解説します。
この記事を最後まで読んで、うさぎのエンセファリトゾーン症のサインが出た時に見逃さないようにしましょう。

うさぎのエンセファリトゾーン症とは
うさぎのエンセファリトゾーン症はエンセファリトゾーンという、うさぎの体内に寄生する寄生虫による疾患です。
多くのうさぎは生まれつきエンセファリトゾーンを体に持っていると言われています。
うさぎのエンセファリトゾーン症は感染していても症状が出ないまま一生を終えることも珍しくありません。
しかし、うさぎの免疫力が低下したタイミングで急に症状が出てくる病気です。
うさぎのエンセファリトゾーン症は早期に適切な処置を行えば症状の進行を抑えられる可能性が高くなります。
放っておくと深刻な後遺症が残ることもあるため決して軽視はできない病気です。
うさぎのエンセファリトゾーン症が起こる原因
うさぎのエンセファリトゾーン症の感染経路は、多くの場合、母うさぎから子うさぎへと伝わる垂直感染だと考えられています。
また、感染しているうさぎの尿にはエンセファリトゾーンの胞子が排出されます。
この尿中の胞子を、感染していないうさぎが口にすることで感染する、水平感染も原因の一つです。
うさぎのエンセファリトゾーン症は飼育環境の急な変化や寒暖差などのストレスも発症の引き金になります。
ストレスの少ない生活を送らせてあげることが発症を防ぐ秘訣となるでしょう。

うさぎのエンセファリトゾーン症の症状
体内に入ったエンセファリトゾーンは血流に乗って脳や腎臓などへ運ばれていきます。
そのため、うさぎのエンセファリトゾーン症は身体のさまざまな部位に症状を引き起こします。
代表的な症状は以下の通りです。
- 斜頸
- 腎不全
- 眼振
- 白内障
- 後肢不全麻痺
以下に詳しく説明しましょう。
斜頸
首が左右どちらかに大きく傾いたまま戻らなくなる状態を斜頸と呼びます。
斜頸は平衡感覚を司る神経がエンセファリトゾーンによってダメージを受けることで発生します。
寝違えたのかなと様子を見ているうちに首の傾きがひどくなることも珍しくありません。
少しでも首の角度に違和感を覚えたら迷わず診察を受けましょう。
腎不全
エンセファリトゾーンは脳や神経だけでなく腎臓にも寄生します。
エンセファリトゾーンによって腎臓の組織が少しずつ壊されていき腎不全を引き起こします。
一度こわれた腎臓を健康な状態に戻すのは困難です。
症状が出てる頃には既に腎臓に深刻な影響が出ているかもしれません。
水を飲む量が増えたり食欲がなくなったりする場合は腎不全を起こしている可能性があります。
これらの症状が見られるようなら早めに受診しましょう。
眼振
エンセファリトゾーン症になると神経症状の一つである眼振が起こることがあります。
眼振は眼球が自分の意思とは関係なく左右や上下に細かく揺れ動く現象です。
眼振が起こると、うさぎはひどいめまいに襲われているような感覚になります。
意識がはっきりしていても景色が回り続けているため強い不安や不快感を感じるでしょう。
眼振が見られる場合は神経に影響が起きている可能性が高いといえます。
白内障
エンセファリトゾーンが目の中の水晶体に寄生すると、白内障を引き起こす可能性もあります。
白内障は目が白く濁って見えたり視力が急激に低下したりするのが主な症状です。
若い年齢のうさぎでもエンセファリトゾーン症により白内障を起こし失明する場合があります。
白内障はブドウ膜炎を併発すると目に痛みを伴うようになるため注意が必要です。
後肢不全麻痺
後肢不全麻痺になると後ろ足に力が入らなくなり、うさぎは腰を抜かしたような歩き方になってしまいます。
エンセファリトゾーンが脊髄などの神経に悪影響を与えることで麻痺が進行していきます。
最初は段差を上りづらそうにする程度の変化なので見逃しやすいかもしれません。
排泄がうまくできなくなったり歩様に異変が起きたりするようなら早めに相談しましょう。
うさぎのエンセファリトゾーン症の治療法
うさぎのエンセファリトゾーン症の治療の基本は駆虫薬を投与することです。
エンセファリトゾーンによる炎症を鎮めるためにステロイド剤や抗炎症薬を併用する場合もあります。
現代の医療では体内のエンセファリトゾーンを完全に死滅させることは容易ではありません。
いかに早く薬を開始して症状を最小限に食い止められるかが重要です。
また、そもそもエンセファリトゾーン症を発症しないよう、日頃から免疫力の維持が出来るよう心掛けましょう。

まとめ
うさぎのエンセファリトゾーン症は寄生虫による疾患です。
免疫力が落ちた時に突然発症し、さまざまな症状を引き起こします。
うさぎのエンセファリトゾーン症は完治が難しい病気ではありますが適切な対応で穏やかに過ごすことは可能です。
斜頸や麻痺などのうさぎの異変に気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。
当院では多くのうさぎの診察を手掛けてきました。
エンセファリトゾーン症に限らず不安なことがあれば当院までお気軽にご相談ください。
山形県米沢市の動物病院
てらやま動物病院
