予防診療
予防できる病気は、確実に予防しましょう。
病気の中には、ワクチン、予防薬で予防できるものがあります。予防を続けることで、ペットを感染症から守ることができます。
また、適切な食事、運動、定期的な健康診断で様々な病気を予防することが可能です。私たちは、飼い主様と一緒にペットの健康を守っていきたいと考えています。
ワクチン
予防期間 年1回
ワクチンで予防できるウイルス性の伝染病は感染すると、重篤な症状を引き起こし、死に至る病気も少なくありません。ワクチン接種で危険な伝染病からペットを守りましょう。
イヌのワクチンで予防できる病気
- ジステンパー
- パルボウイルス感染症
- コロナウイルス感染症
- パラインフルエンザ
- 伝染性肝炎
- アデノウイルス2型
- レプトスピラ症
ネコのワクチンで予防できる病気
- 白血病ウイルス感染症
- ウイルス性鼻気管炎
- カリシウイルス感染症
- 汎白血球減少症
- クラミジア病
フィラリア予防
予防期間 5月~11月
フィラリアは蚊が媒介して、イヌの肺動脈や心臓に寄生する寄生虫です。寄生によって血液循環や心臓に深刻な障害を起こします。
蚊が活動する5月から11月頃までがフィラリア症の予防期間です。錠剤タイプ、おやつタイプ、皮膚に滴下するスポットタイプは1ヶ月に1度の投薬で予防できます。1年間効果が続く注射薬もあります。
ノミ・マダニ
予防期間 通年
ノミ、ダニは皮膚に寄生して吸血するだけでなく、皮膚病を引き起こしたり、感染症(バベシア症、瓜実条虫など)を媒介することがあります。近年、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)をはじめとした、人獣共通感染症も問題となっています。
予防は、主に錠剤タイプ、おやつタイプ、皮膚に塗布するスポットタイプの薬を使います。
消化管寄生虫
母犬、母猫から胎盤や母乳を介して感染する回虫、糞便から虫卵を摂取して寄生する線虫類、ノミが媒介する瓜実条虫、ネズミを食べて寄生するネコ条虫、カエルを食べて寄生するマンソン裂頭条虫など多様な寄生虫がいます。
寄生虫の種類によって駆虫薬が異なります。市販の駆虫薬は効果が低く、安全性が低いので、使用しないで下さい。
狂犬病予防接種
予防期間 年1回
法律で飼い主の方には狂犬病ワクチン接種が義務付けられています。
生後91日以上の犬は、飼い始めてから30日以内に1回、その後毎年1回の予防接種を受けなければなりません。イヌを飼い始めたら市町村窓口、動物病院で登録をして、狂犬病予防接種をしましょう。
避妊・去勢
当院では避妊・去勢手術をお奨めしております。生後6ヶ月過ぎくらいから手術が可能です。当院ではイヌで発生報告の多い縫合糸反応性肉芽腫の発生を防ぐため、イヌの避妊手術に超音波メスを使用しております。超音波メスは血管をシーリングし止血しながら切断するため、体の中に残す縫合糸を最小限にすることが可能です。
ワンちゃん♀のメリット
- 乳腺腫瘍の確率が低下します。 (2回目の発情が来る前に行うと効果的です。)
- イヌに多い子宮蓄膿症などの子宮関連疾患の予防が可能です。
- 発情がこなくなり、出血がなくなります。
- 妊娠の心配がなくなります。
ネコちゃん♀のメリット
- 発情がこなくなり、変な声で鳴くことがなくなる事が多いです。
- 発情中の不適切な場所での排尿がなくなります。
- 乳腺腫瘍の確率が低下します。
- 妊娠の心配がなくなります。
ワンちゃん♂のメリット
- 老齢になってからの前立腺の病気(前立線の肥大など)や睾丸の腫瘍、肛門周囲腺腫(肛門にできる腫瘍)、会陰ヘルニアになる可能性が減少します。
- 性格が穏やかになる事が多いです。
ネコちゃん♂のメリット
- おしっこをかける(マーキング)事がなくなる事が多いです。
- ケンカをしなくなる事により、感染症(ネコエイズなど)にかかる確率が減ります。